不動産購入時に火災保険は必要?加入義務や補償範囲も解説

不動産購入時に火災保険は必要?加入義務や補償範囲も解説

火災保険は、マイホーム購入時に必ず入らなければいけないのでしょうか。
保険加入の義務の有無や補償内容、保険料などに不安や疑問を持つ方は少なくありません。
この記事では、不動産購入時の火災保険の加入義務や補償内容、経費計上の可否、さらに保険料相場まで詳しく解説いたします。
火災保険について悩まれている方は、ぜひこの記事をご参考になさってくださいね。

不動産購入の際の火災保険の義務と補償範囲

不動産購入の際の火災保険の義務と補償範囲

火災保険の加入について、まず最初に押さえておくべき要点を整理しましょう。
ここでは、火災保険の加入義務や補償範囲について解説していきます。

義務の有無と典型例

日本では法律上、住宅を買うときに火災保険へ入ることは、直接決められているわけではありません。
しかし、実際には住宅ローンを組んで家を買う場合、ほとんどの金融機関がお金を貸す条件として、火災保険への加入を求めています。
とくに、住宅金融支援機構が提供する「フラット35」では、ローンを返し終えるまで建物に火災保険をかけることが必須です。
この場合の保険金額は、少なくともローンで借りた金額以上、最大でも建物の価値までという目安が設けられています。

補償範囲

火災保険が補償するのは火事だけでなく、落雷や破裂・爆発、さらに台風による風災や雹(ひょう)災、雪災なども含まれます。
ほかにも、洪水などの水災や物が飛んできて建物が壊れたときの損害、水漏れや盗難なども補償の対象となることがほとんどです。
ただし、火災保険だけでは、地震・噴火・津波が原因の損害は補償の対象外です。
これらの自然災害に備えるには、火災保険とあわせて地震保険にも加入しなくてはなりません。
また、マンションの場合、ご自身で入る火災保険は、所有しているお部屋の中である「専有部分」を補償します。
なお、エントランスや廊下といった「共用部分」は、管理組合が加入するマンション総合保険で補償されます。

最適な保険の選び方

火災保険は、単に料金が安いという理由で選ぶのではなく、ご家庭の生活様式や心配なことに合わせて、最適な補償内容を選ぶことが大切です。
とくに、万が一のときに受け取れる保険金が実際の損害額より少ない「保険金額不足」の状態にならないよう、再調達価額を基準に、最新の評価額で見積もりを依頼しましょう。
たとえば、火事に強い鉄筋コンクリート造のマンションは、木造住宅と比べると保険料が安くなります。
このように、建物の造りや古さ、リフォームの状況などを考えて、保険で備える金額を設定することが重要です。

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火災保険料の経費処理

火災保険料の経費処理

前章では火災保険の加入義務や補償範囲について述べましたが、実際に保険料をどのように経費計上できるのかも気になるところです。
ここでは、火災保険料の経費計上と節税の要点について解説いたします。

住宅・事業用の違い

火災保険料は、その建物が何に使われているかによって、経費にできるかどうかが変わってきます。
まず、ご自身が住むためのマイホームの火災保険料は、基本的に所得税の保険料控除の対象にはなりません。
以前は、損害保険料控除という制度がありましたが2007年に廃止され、現在は地震保険料だけが控除の対象となっているため注意しましょう。
一方で、お仕事のために使っている不動産の火災保険料は、会社でも個人事業主でも必要経費として計上することが可能です。
会社の場合、一般的には保険料を支払った時点で「保険料」として経費にし、決算書の販売費および一般管理費に載せます。
個人事業主や賃貸物件の所有者の方も、不動産収入や事業の収入を得るために支払った火災保険料は、必要経費として認められます。

申告区分ごとの処理

確定申告には、「青色申告」と「白色申告」の2種類があり、それぞれ帳簿のつけ方や保存する期間が異なります。
青色申告の場合は、日々の取引をきちんと記録する正規簿記が求められ、火災保険料も帳簿にしっかり記録しなければなりません。
この帳簿は、原則として7年間とっておく決まりになっています。
これに対し、白色申告は簡易的な帳簿で構いませんが、5年間の保存が義務付けられています。
2014年からは、すべての方に記帳と帳簿の保存が義務となり、事業所得が300万円を超える場合は7年間の保存が必要となりました。

領収書と注意点

万が一、税務署の調査が入ったときのために、経費として処理した火災保険料の書類は、きちんと管理しておくことが重要です。
経費として認めてもらうには、保険契約者の名前や物件の住所、期間や金額がはっきり書かれた払込証明書や領収書などが必要になります。
これらは、帳簿の保存期間と同じ年数である7年間、きちんと保管しておきましょう。
電子データをパソコンなどで保存する際は、後から書き換えられないようにするなど、電子帳簿保存法の決まりを守らなくてはいけません。
ご自宅と事務所を兼ねている場合は、家事按分の計算の根拠になった書類も一緒に保管しておくと安心です。

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火災保険料の相場

火災保険料の相場

ここまで火災保険の義務や経費計上について解説しましたが、保険料相場もしっかり把握しておきましょう。
最後に、火災保険料の相場や動向について解説していきます。

構造別の相場目安

火災保険料の金額は、建物の造りによって大きく変わります。
建物の構造は火事への強さに応じて、「M構造(耐火)」「T構造(準耐火)」「H構造(非耐火)」の3つに分けられており、この種類によって保険料率が異なります。
たとえば、鉄筋コンクリート造のマンションなどはM構造にあたり、火災の危険性が低いと見なされるため保険料も安いです。
一方で、木造住宅はT構造やH構造に分類され、火事の危険性が高いと判断されるため保険料が高くなる傾向にあります。
具体的には、5年契約の場合、M構造の年間保険料は約3〜4万円が目安ですが、T構造は約5〜7万円でH構造では約10〜18万円と、3倍から4倍もの差が出ることがあります。

面積・評価額の違い

火災保険料は、建物の再調達価額、つまり「同じ建物をもう一度建て直すのにいくらかかるか」で決まるため、延べ床面積が広いほど高くなります。
再調達価額は、一般的に1㎡あたり20万円程度とされており、たとえば延べ床面積が100㎡から120㎡に広がるだけで、年間の保険料が約2割上がる場合もあります。
また、同じ広さの建物でも、内装や設備が豪華な場合は再調達価額がさらに上がる仕組みです。
そのため、築年数が経っている建物やリフォームをしたことがある場合は、その内容も考えて保険金額を計算することが重要です。

最近の値上がり動向

近年、火災保険料は全国的に値上がり傾向が続いており、その背景には自然災害の増加があります。
とくに、最近の豪雨や台風による被害が急増し、保険会社が支払う保険金が増えていることが主な原因です。
そのため、損害保険料率算出機構が、水災の危険度を5段階、風災の危険度を3段階に細かく分けるなど、危険度に応じた保険料の見直しを進めています。
これに伴い、同じ造りや広さの建物でも、海に近い場所や水害の危険性が高い地域では、保険料が大幅に上がる可能性があります。
2024年10月には、保険料の目安となる参考純率が引き上げられ、多くの保険会社が保険料を値上げしました。
2025年の契約更新時期に保険料が上がる見込みがあるため、『2025年問題』と呼ばれることもあります。

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まとめ

火災保険は住宅ローン契約時に加入が求められ、火災だけでなく風災や水災も補償しますが、地震に備えるには地震保険が必要です。
事業用物件の火災保険料は経費に計上できますが、自宅用は対象外で、自宅兼事務所の場合は家事按分という計算が必要です。
保険料は建物の構造や面積で決まり、近年の自然災害の増加により、今後も値上がりが続くと予測されています。

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