【最新版】離婚後の子どもに不動産の相続権はある?トラブル回避方法も解説!

相続について

瀬戸 繁貴

筆者 瀬戸 繁貴

不動産キャリア7年

離婚後の子どもに不動産の相続権はある?トラブル回避方法も解説!

家族でともに暮らすマイホームを購入したものの、何らかの事情によって離婚を余儀なくされることがあります。
しかし「子どもには不動産の相続権はあるのか」「再婚相手の連れ子は不動産を相続できるのか」など、さまざまな疑問が浮かぶことでしょう。
そこで今回は、離婚後の子どもや連れ子の相続権の有無、離婚後に不動産トラブルを回避する方法について解説します。

離婚後の子どもにおける相続権

離婚後の子どもにおける相続権

まずは、離婚後の子どもの相続権に関する基本的な知識を解説します。
婚姻期間中に築いた財産のなかに不動産があるときは、相続を巡ってトラブルが発生するケースが珍しくありません。
トラブルを未然に防ぐためにも、離婚によって子どもの相続権に影響があるのかを確認しておきましょう。

元夫・元妻であっても親子関係に変わりはない

結論からいうと、離婚しても子どもの相続権は基本的に消失しません。
たとえば両親が離婚し、子どもが母親と一緒に暮らしていたとしても、父親(元夫)が亡くなったときには法定相続人として、不動産をはじめとする財産を受け取る権利があります。
これは、たとえ「親権」が母親にあったとしても変わりません。
親権は、子どもの世話・教育に関する権利であり、相続権とは別の概念だからです。

離婚後の子どもが相続できる割合

民法では、相続人が取得できる財産の割合が決められています。
たとえば、夫が亡くなって、配偶者と子どもひとりが相続人のときの法定相続分の割合は、それぞれ2分の1です。
ただし、配偶者は婚姻している間は常に相続人になれますが、離婚したら相続権を失う点に注意が必要です。
もし夫が離婚後に再婚して亡くなったときでも、子どもが相続人の第一順位であることに変わりはありません。
このケースでは、再婚後の配偶者と元妻との間に儲けた子どもで、財産と均等に分割する形となります。

離婚後の子どもには遺留分が適用される

両親が離婚して関係性が疎遠になったとしても、子どもには遺留分が適用されます。
遺留分とは、法定相続人に最低限保証されている、遺産の取得分(法定相続分の半分)のことです。
そのため、離婚後に再婚した元夫が亡くなり、その妻が子どもに財産を相続させたくないと考えても、それは認められません。
たとえば、元夫が亡くなったときの遺産総額が不動産を含めて3,000万円で、法定相続人が再婚相手と子どものみのとき、子どもは法定相続分である2分の1の財産を受け継ぐ権利を主張できます。
たとえ元夫が遺言書で「再婚相手に財産をすべて譲る」と残していても、子どもは遺留分として財産の4分の1を相続できるのです。

代襲相続も適用される

代襲相続とは、本来相続人となるはずだった方が、相続開始以前に亡くなるなどして相続権を失ったケースにおいて、その方の子どもが代わりに相続することです。
たとえば、離婚後に元夫や元妻が亡くなり、そのあとで祖父母が亡くなったケースでは、元夫や元妻の子どもが祖父母の財産を相続できます。
離婚後に子どもとの関係が希薄になっていたとしても、血縁関係がある限り、相続権がある点はしっかり理解しておきたいところです。

離婚後に再婚した配偶者の連れ子に不動産を相続できる?

離婚後に再婚した配偶者の連れ子に不動産を相続できる?

両親が離婚したあとで再婚したケースにおいて、その配偶者に子どもがいることがあります。
その連れ子にはたして相続権は認められるのか、疑問に感じる方もいるでしょう。
ここでは、離婚後に再婚した配偶者の連れ子の相続権について解説します。

血縁がなければ相続権はない

再婚した配偶者の連れ子に、相続権は発生しません。
たとえ同居して育てていたとしても、法律上の親子関係(血縁または養子縁組)がなければ、相続権は発生しないのが基本的なルールです。
これは民法第887条に基づくものであり、実子とは扱いが明確に異なります。
たとえば、元夫が離婚後に再婚した相手に、子どもがいるとします。
このとき、元夫が亡くなっても、その財産を相続できるのは、再婚相手の配偶者と元妻との間に儲けた実子のみです。

養子縁組をすれば相続権が発生する

一方で、元夫が再婚相手の連れ子と養子縁組をすれば、法律上の親子関係が成立し、実子と同等の相続権が認められます。
再婚後に「この子にも財産を残したい」と考えるのであれば、家庭裁判所の手続きを通じて、正式に養子縁組を結ぶことが必要です。
また、養子縁組には「普通養子縁組」と「特別養子縁組」がありますが、通常の相続に関しては「普通養子縁組」で十分です。
一方で、連れ子に財産を残したいと考えるのであれば、遺贈や生前贈与を検討するのは選択肢のひとつとして挙げられます。
遺贈とは、遺言によって財産を相続させること、生前贈与とは存命中に財産を譲り渡す行為を指します。
遺贈や生前贈与は、相続人だけでなく他人にもおこなえるので、養子縁組をしなくても連れ子に財産を残すことが可能です。

離婚後の不動産トラブルを避ける方法

離婚後の不動産トラブルを避ける方法

不動産は現金とは違って、分けづらい資産であるため、相続時にトラブルが発生しやすい特徴があります。
特に離婚を経て、家族構成が複雑になったときは、将来的なトラブルを防ぐためにも、生前のうちに適切な対策を講じることが大切です。
ここでは、離婚後の不動産トラブルを避ける方法について解説します。

トラブル回避法①公正証書遺言を活用する

相続時の不動産トラブルを避けたいのなら、公正証書遺言の作成をおすすめします。
これは、公証人の立ち会いのもとで作成される遺言書で、法的な効力が高い点が特徴です。
たとえば「不動産は長男に相続させたい」「連れ子にも一定の財産を残したい」といった内容を明文化しておくと、相続時の争いを大幅に軽減できます。

トラブル回避法②生前贈与を検討する

不動産を生前に子どもに贈与する対策も、ひとつの手です。
生前贈与には贈与税がかかることがありますが、相続時精算課税制度などを活用すれば、税負担を抑えながら計画的な資産移転が可能です。
特に不動産の共有名義を避けたいときや、トラブルを事前に防ぎたい方には効果的な手段といえます。

トラブル回避法③生前に不動産を売却する

生前のうちに不動産を売却して現金化しておくと、相続財産の分割がしやすくなり、後々のトラブルを回避できます。
不動産は価値の変動や管理の手間もあるため、相続させること自体が負担になるケースは珍しくありません。
離婚後に不動産をどう扱うかは、感情的な問題と法的な問題が交錯する難しいテーマです。
そのため、売却も含めて、柔軟に選択肢を検討することが大切です。

トラブル回避法④相続放棄を選択してもらう

相続発生時のトラブルを避けたいのなら、法定相続人に相続放棄を選択するよう依頼するのもひとつの手です。
相続放棄とは、被相続人の遺産を受け継ぐ権利の一切を放棄することです。
相続放棄を選択すると、初めから相続人ではなかったとみなされるため、相続トラブルに巻き込まれる心配をする必要がなくなります。
たとえば、子どもに不動産を譲り渡したいと考えているのなら、元夫や元妻に相続放棄を打診するのは有効な選択肢といえます。
ただし、本人が望まない限り、相続放棄は強制できません。
そのため、トラブルを避けるには、慎重に話し合いをおこなうことが大切です。

まとめ

離婚をしても、親権の有無に関わらず、子どもには財産を相続する権利が与えられます。
再婚した配偶者の連れ子には相続権が与えられませんが、養子縁組をしたり、遺贈や生前贈与をおこなったりすると財産を残すことが可能です。
また、離婚後に不動産を巡る相続トラブルを起こしたくないのなら、公正証書遺言を作成したり、売却して現金化したりする方法が有効です。


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